個人の好みを尊重して

母方の祖母が亡くなりました。
祖父は既に他界していますし、祖父母は共に一人っ子だったこともあり、血縁者というと、母の兄にあたる伯父と母、そして私だけなので、3人で葬儀の相談をすることになりました。

血縁者がそれしか居ない上に、ガンで入退院を繰り返し、晩年は寝た切りになっていたためあまり人付き合いもなく、また、祖母と親しくしてくれていた方達もかなりのご高齢という事もあり、家族葬か直葬にする事も検討しました。

そもそも葬儀とは、故人の信仰していた宗教にのっとり旅立ちのお手伝いをすることと、残された者の心の整理を行うためのものですよね。
故人が無宗教でしたし、高齢の為に進行は遅いものの、末期ガンだったことで心の整理はできています。
余命半年と聞かされた時には動揺もしましたけど、余命宣告から5年近く頑張ってくれたので、思いつく限りのことはできたと思っていますしね。

葬儀を行うとなると、準備に1日・お通夜・告別式・事後処理で、最低でも4日間は見ておかないといけませんし、喪主になる伯父も人前で挨拶をするのは嫌だということで、一度は直葬に決まりかけたのですが、結局は一般葬を行うことになりました。

いくら身内は心の整理が付いているからと言って、祖母の友人・知人まで心の整理が付いているとは限りませんし、ご高齢の方々だからこそ、最後のお別れを望まれるのではないかと思いましたから。

さらに、元気なころは賑やかなことを好んでいた祖母ですが、体を壊してしまってからは入退院の繰り返しで、晩年は完全に寝たきりになってしまっていましたので、最後は祖母の好みに合わせて、賑やかにお見送りした方が良いのではないかとも思いましたからね。

さすがは祖母の知人だけあって、参列して下さった方々も賑やかな方たちばかりで、予想外に明るい葬儀となりました。
少しだけ、冠婚葬祭は煩わしいというイメージが変わった葬儀になりました。